インド初!町全体が世界遺産ー歴史都市アーメダバード
こんにちは!
インドには、2020年3月時点で39もの世界遺産がありますが、遺跡や自然ではなく町全体が世界遺産として登録されているものもあります。
今回は、「インド独立の父」と称されるマハトマ・ガンディーゆかりの地で、完成度の高い階段井戸で知られるアーメダバードを紹介します。
アーメダバードとは
アーメダバードは、グジャラート・スルタン朝(1407~1573年)のアフマド・シャー1世が1411年に建設した都市です。人口は約563万人(2011年時点)で、グジャラート州最大の都市となっています。
最近では、日本の新幹線システムを利用した高速鉄道プロジェクト(2023年の開通を目指している)でも注目されています。
また、アーメダバードはガンディーの活動拠点としても知られています。
英領インド政府による塩の専売に反対し、1930年にダーンディー海岸を目指して行進した「塩の行進」は、アーメダバードから出発しました。
2017年には、「アーメダバードの歴史都市」として世界文化遺産に登録されました。
アーメダバードの主な見どころは、旧市街や階段井戸などです。
旧市街
旧市街は、サーバルマティー川の東側にあります。
新市街は川の西側で、ショッピングモールや5スターホテル、外国企業のオフィスなどがあります。
旧市街では、人々の生活感を感じることができます。
壁にきれいなペイントが施されているところもあります。
真ん中だけ見事に壊されている家がありました。
派手な寺院もありますし、当然牛もいます。
木造で細かいレリーフの家がありました。瓦や木の色などから、どことなく和を感じます。
迷路のような旧市街を進んでいると、アーメダバード最大のモスク、ジャマー・マスジットにたどり着きました。
中庭の東隣には、アーメダバードを開いたアフマド・シャーの廟があります。その道路を挟んだ反対側には、棺がいくつか並んで置かれていましたが、現在は洗濯物を干すスペースとして活用されています。
壁の透かし彫りはこんな感じでした。
ジャマー・マスジットがあるエリアは路駐が多く、地元の人たちでごった返しているところに、車やバイクがクラクションを突っ込んでいくため、カオスです。
アダーラジの階段井戸
アダーラジの階段井戸は、1499年にヴァーゲラ朝の王妃ルダバイによって建てられました。
アダーラジは、アーメダバードの約20km北にある小さな村です。
地下5階建てのこの階段井戸は、何百年にもわたって巡礼者やキャラバンが立ち寄る休憩所として利用されてきました。
建物内には美しい彫刻が施されていて、ここがかつて人々の水汲み場として機能するだけではなく、その建築美が人々を魅了する憩いの場でもあったのではないかと想起させられます。
基本情報
名称 |
Adalaj Vav |
営業時間 |
6:00~18:00 |
入場料 |
外国人300ルピー(インド人25ルピー) *外国人でもAadhaar card(インド版マイナンバーカード)を使えばインド人料金になります。 |
所要時間 |
約30分~1時間(関心度などによって個人差があります) |
備考 |
アーメダバード市内からバス、オートリクシャー、Uberなどでアクセスできます。 |
※訪問時点の情報です。
実際に行ってみた
敷地西側にチケット売り場があります。
横から見ると、ここに深い井戸があるように見えず、ちょっとした広場があるだけのように感じられます。
上の部分から見るとこんな感じです。
階段井戸は、インド人の観光客で賑わっています。子供たちも多く、遠足の行き先にもなっているようです。
外国人が珍しいのか、多くの人にセルフィーを頼まれます。
階段を下りていくと、とても精緻な浮き彫り装飾がたくさんあります。
井戸の最深部まで行き、上を見上げると、このような景色が広がっています。
ドラクエのダンジョンに出てきそうです。
その他の見どころ
この他には、ダーダー・ハリの階段井戸、サーバルマティー(ガンディー)・アシュラム、染織物が集められたキャリコ博物館などがあります。
食事・宿泊情報
食事は、Gordhan TalとSale & Pepeを利用しました。
ランチで行ったGordhan Talでは、メニューがなく、グジャラート・ターリー1択でしたが、お昼時になると現地の人たちが並ぶほど美味しいです。
Sale & Pepeでは、インドでは珍しく本格的な(マサラがかかっていない)ピザが食べられます。
宿泊先には、Baghban Haveliを利用しました。ここは、旧市街にあるヘリテージホテルで、内装が瀟洒であるだけでなく、旧市街を散策するのに便利です。
日が昇ると屋上から旧市街を見渡すこともできます。
ちなみに、冬の朝は、靄やスモッグ?で視界が悪いです。
移動について
市内の見どころがそれぞれ離れた場所にあるため、移動はタクシーまたはオートリクシャーがメインになります。
アーメダバードでは、UberやOlaといった配車アプリが利用できるため便利です。
長距離バスの乗り場は、運行会社によって異なりますが、旧市街のセントラルバス・ステーションや、新市街のISCONなどに停車する便が多いように思います。
気候について
アーメダバードの降水量は、インドの他都市同様、例年、南西モンスーン(6~9月の4カ月間)の時期に集中します。気温は、最高気温が真夏(4~5月)で40度超、冬期で30度前後、最低気温が真夏で20度台後半、冬期で10度台前半になるようです。
アーメダバードへの行き方
アーメダバードへは、国内主要都市からフライトが毎日頻発していて、タイや中東から直行便も就航しています。
また、かなり時間は掛かりますが、ニューデリーやムンバイから鉄道やバスでアクセスすることも可能です。
アーメダバードには空路で入り、時間があれば他の都市と合わせてまわるのが良いと思います。
僕は今回、アーメダバード→パリタナ(2泊)→アーメダバード(1泊)とまわりました。
パリタナについては、こちらにまとめています。
同じグジャラート州内で、インドのウユニ塩湖とも言われるホワイト・ランや伝統工芸の村々などに興味がある方は、こちらをご参照ください。
それでは良い旅を!