聖なる山とインド最大級のヒンドゥー教寺院の町ティルヴァンナマライ
こんにちは!
インドには多くのヒンドゥー教の聖地や寺院がありますが、聖なる山として信仰の対象となっている場所もあります。
今回は、南部チェンナイから車で約4時間ほどで行ける聖地ティルヴァンナマライを紹介します。
ティルヴァンナマライとは
ティルヴァンナマライは、南部タミルナドゥ州の州都チェンナイから約190km南東にある町で、ヒンドゥー教徒にとって神聖な場所となっています。
ヒンドゥー教では、空・風・火・水・地という5つの要素(5大元素:Pancha Mahabhuta)が宇宙を構成していると考えられていて、シヴァ神はこれらを5つの場所で体現していると信じられています。この5つの聖地は「パンチャ・ブータ・スタラム」と呼ばれ、そのうちの1つティルヴァンナマライは「火」を象徴する聖地となっています。
ティルヴァンナマライの主な見どころは、アルナーチャレーシュワラ寺院やアルナーチャラ山で、郊外にはジンジー城塞もあります。
アルナーチャレーシュワラ寺院
アルナーチャレーシュワラ寺院は、古い歴史を持つインド最大級のヒンドゥー教寺院の1つです。
現存する建物はチョーラ朝時代の9世紀に建てられ、ヴィジャヤナガル王国時代の14~16世紀に拡張されたとされています。
寺院ではシヴァ神の化身の1つアルナーチャレーシュワラを祀っていますが、ムルガン神を祀るお堂もあります。
基本情報
名称 |
Arunachalesvara Temple |
営業時間 |
5:30~12:30、16:00~21:00 |
入場料 |
無料 |
所要時間 |
約1~2時間(関心度などによって個人差があります) |
行き方 |
バススタンドから徒歩またはオートリクシャー |
*訪問時点の情報です。
メインの入口は敷地東側にあり、白くて大きなゴープラム(塔門)があります。
敷地内は参拝客で賑わっています。
驚くほど派手なシャツを着て、自分の世界に浸っているおじさんもいました。
アルナーチャラ山
アルナーチャラ山(Arunachala Hill)は、ティルヴァンナマライの中心に立つ標高約800mの聖なる山です。「アルナーチャラ」は赤い山を意味し、シヴァリンガと同一視されています。
南インドを代表する聖人ラマナ・マハルシはこの聖なる山に16歳から篭り、それ以降生涯この場所を離れませんでした。現在でも何人ものサドゥー(行者)がこの山で修行に励んでいます。
また、アルナーチャラ山は毎年11~12月にかけて行われるカルティガイ・ディーパムという祭でも知られています。この祭では、大量のギーを使って山頂で火が燃やされます。その様子は数km離れた場所からも見ることができるそうです。
アルナーチャラ山には、アルナーチャレーシュワラ寺院西門側の道から登ります。
途中までは進む方向などの目印があるので、それに沿って進むと、見晴らしの良いポイントに出ます。
ここからは、アルナーチャレーシュワラ寺院の全景を見ることができます。
登っているとサドゥーに遭遇することもあり、ここが聖なる山だということを実感できます。
この後、山頂までの道が途中からわかりづらくなり、雲行きも怪しくなってきたので、引き返しました。
ちなみに、ここ数年でなぜかロシア人が2回遭難し、救出されています。
迷いやすいので、無理をせず暗くなる前に下山することをおすすめします。
ジンジー城塞
ジンジー城塞は、ティルヴァンナマライの約40km東にある城塞です。その範囲はクリシュナギリ(Krishnagiri)、ラージャギリ(Rajagiri)、チャッキリドゥルグ(Chakkilidurg)の3つの岩山に及びます。
元々はチョーラ朝の時代の1200年頃に建てられたとされていますが、その後ヴィジャヤナガル王国、マラーター王国、ムガル帝国、フランス軍、イギリスなど、各時代の支配者の手に渡ってきました。現存する建物は、主にヴィジャヤナガル王国時代のものとされています。
見どころはクリシュナギリとラージャギリに集中していて、チャッキリドゥルグには特に見るものはありません。
基本情報
名称 |
Gingee Fort |
営業時間 |
9:00~16:30 |
入場料 |
300ルピー |
所要時間 |
約3~4時間 |
行き方 |
ティルヴァンナマライからバスまたはオートリクシャー |
備考 |
チケットはクリシュナギリとラージャギリ共通 |
*訪問時点の情報です。
実際に行ってみた
ティルヴァンナマライから幹線道路を車で約1時間ほど走っていると、大きな岩山が見えてきます。
クリシュナギリの全景はこんな感じです。
周囲にはとても穏やかな景色が広がっています。
途中で見かける生き物にも南国らしさが出ています。
頂上には、寺院などの建造物があります。
頂上からの景色は抜群です。
道路を挟んだ反対側にはラージャギリがあります。
ラージャギリはクリシュナギリよりも高さがあり、地元の人たちも登るのが大変そうです。
頂上からは周囲を一望できます。
山頂では子供たちに写真を撮って欲しいと頼まれました。
インドでは、セルフィーを頼まれることが多いですが、自分たちを撮ってくれというお願いもたまにあります(その場合、撮った写真を見せてあげると満足し、喜んでくれます)。
食事・宿泊情報
ティルヴァンナマライは大きな町ではないので、食事・宿ともに選択肢があまり多くありません。
レストランだと、外国人向けのThe Dreaming Tree 、南インド料理のHotel Kanna などの評価が高めです。
宿泊先には、Rainbow Guest House や Hotel Comfort Inn などがあります。
移動について
ティルヴァンナマライでは、徒歩またはオートリクシャーでの移動がメインになります。
UberやOlaといった配車アプリは利用できません。
ジンジー城塞には、ティルヴァンナマライからバス(所要約1時間)で行くことができますし、オートリクシャーでアクセスすることも可能です。
ティルヴァンナマライへの行き方
ティルヴァンナマライへはチェンナイからバスで約4時間、ヴェルールからバスまたは電車で1時間20分~2時間でアクセスできます。
チェンナイからティルヴァンナマライ行きのバスは、CMBTのバススタンドなどから出ています。
チェンナイへは、成田から直行便が週3便で就航しています。また国内主要都市やシンガポールやバンコクなど東南アジアの都市からもアクセスできます。
僕はチェンナイ→ティルヴァンナマライ(宿泊)→ジンジー城塞→チェンナイを1泊2日でまわりました。
現地の旅行会社に車を手配してもらい、マハバリプラムやポンディシェリと合わせて数日間掛けてまわることも可能です。
それでは良い旅を!
※旅行を検討する際は、外務省の海外安全ホームページなどで最新の情報をご確認ください。