インド最大級の城がある町!「ブルーシティ」ジョードプル
こんにちは!
広い国土を持つインドでは、古くから各地で国争いが絶えず、敵襲に備えてつくられた大きな城がたくさんあります。その中でも、ラジャスタン州ジョードプルには、インドで最大級の城「メヘラーンガル城」があります。
また、ジョードプルは、旧市街に青い壁の家屋が多く、インドの「ブルーシティ」としても知られています。
今回は、メヘラーンガル城と青い旧市街がある町ジョードプルを紹介します。
ジョードプルとは
ジョードプルは、15世紀にラージプートのラートール家の王ジョーダによってつくられ、マールワール王国の首都となった町です。「ジョードプル」という名前は、ジョーダにちなんで名付けられ、「ジョーダの町」を意味するそうです。
その後、ジョードプルは、ムガル帝国による支配(自治権有)、英領インド時代のジョードプル藩王国を経て、インド独立後にラジャスタン州に編入されました。
人口は約103万人(2011年時点)で、ジャイプールに次ぐラジャスタン州第2の都市です。
ちなみに、ジョードプルはメヘラーンガル城や、青い家屋が多い旧市街で有名ですが、ONE PIECEに出てくるアラバスタ王国のモデルになった町としても知られています。
メヘラーンガル城
メヘラーンガル城は、ジョーダ王によって1459年に建設が開始された城で、標高約130mの小高い丘の上に、ジョードプル市内を見下ろすように立っています。完成後も、マハーラージャ(王)ジャスワント・シン(1629-1678)の時代まで増改築が繰り返されました。
メヘラーンガル城は、合計7つの堅牢な門を持ち、城壁は一部で高さ36m・厚さ21mにもなるインド最大級の城です。いまだにマハーラージャの所有となっていて、1947年までマハーラージャの居城として利用されていましたが、現在は博物館として公開されています。
また、メヘラーンガル城は、ONE PIECEのアラバスタ王国のアルバーナ宮殿に似ていると言われています。
基本情報
名称 |
Meherangarh Fort |
営業時間 |
9:00~17:00 |
入場料 |
外国人600ルピー(オーディオガイド付)、カメラ持込料100ルピー |
所要時間 |
約2~4時間(関心度などによって個人差があります) |
行き方 |
旧市街から徒歩またはタクシー (旧市街は道が狭いので、タクシーは通れません。タクシーを利用する場合、かなり迂回することになります) |
備考 |
オーディオガイドを借りる際は、パスポートなどを預けるか、2,000ルピーのデポジットを渡す必要があります |
※訪問時点の情報です。
実際に行ってみた
旧市街から城にかけての道はこんな感じです。結構上ります。
ジャイ・ポール(勝利の門)をくぐるとすぐにチケット売り場があります。そこから少し歩いて上を見上げて見ると、建物の大きさに圧倒されます。
ローハー・ポール(鉄の門)には、門の壁面に手形の浮き彫りが多数あります。これらは、マハーラージャが亡くなって火葬される際、その火中に生きたまま身を投じ殉死した妃たちの手形だそうです。
この風習は、ヒンドゥー社会で行われていたサティーと呼ばれるもので、1829年には禁止令が出され、1987年にはサティ防止法も制定されましたが、2000年代に入ってからもサティーが数件確認されています。
城内の博物館の中に入ると、豪華な部屋がいくつもあります。その中でもフール・マハル(花の宮殿)は特に豪華で、儀式などに利用されたそうです。
鏡の間のような部屋もあります。
マハーラージャのタハット・スィン(1819-1873)が好んでいたとされるタハット・マハルも、きらびやかです。
タハット・スィンには、30人の妃がいたそうです。
なお、博物館の中には、ONE PIECEに出てくるMr. 4の愛銃、犬銃「ラッスー」のモデルと思われる大砲が展示されているようですが、僕が訪れた時は見当たりませんでした。
博物館の外にも、フォトジェニックな景色が広がっています。
博物館の前の道をまっすぐ進むと、チャームンディ・デーヴィ寺院がありますが、その途中にビューポイントがあります。
ここからは旧市街がよく見えます。
遠くから見るとそこまで青くないですが、絶景です。
町の青さで言えば、モロッコのシャウエンの方が青いですが、メヘラーンガル城と旧市街が一つになった景色には別の良さがあり、どちらも素晴らしいと思います。
旧市街散策
旧市街の中心にあるのは、サダル・バザールです。
ここはとても活気があります。
サダル・バザールには町のランドマークとなる時計塔があります。
この時計塔は、ONE PIECEアラバスタ編で時限爆弾が仕掛けられた時計台のモデルになったと言われています。
時計塔から北の方に歩いて行くと階段井戸があります。
メヘラーンガル城に向かって歩いていると、インドの旧市街らしい雑多な街並みが現れます。
城が近くなってくると、壁が青く塗られた家屋が増えてきます。
陽気なおじさんもいます。
なお、壁が青く塗られている理由は、上位カーストのバラモン階級の所有であることを示すため、害虫駆除のため、暑さを和らげるためなど、諸説あるようです。
メヘラーンガル城の麓から民家がひしめく旧市街を北西方向に歩いて行くと、マハーラージャ(王)のジャスワント・シンをしのんで建てられた墓廟ジャスワント・タダがあります。
旧市街の中心である時計塔の近くからは少し遠いですが、ジャスワント・タダの近くでは、メヘラーンガル城と旧市街を違った角度から見ることができます。
たまたま雨上がりに訪れていたため、きれいな虹がかかっていました。
その他の見どころ
メヘラーンガル城や旧市街の他には、現在もマハーラージャが住む博物館兼宮殿ホテルのウメイド・バワン宮殿や、ジャスワント・タダといった見どころがあります。また、ジョードプル市街から北へ9kmほど行ったところには、ジョードプル遷都以前のマールワール王国の首都マンドールもあります。
食事・宿泊情報
食事は宿の近くのThe men’s cave cafeとホテルRAASのレストランDarikhanaを利用しました。
The men’s cave cafeは店内が薄暗く、美味しくないのでおすすめできません。
Darikhanaは、お店の雰囲気が良く、お酒も飲めて料理も美味しいですが、その分料金は高いです。
宿泊先は、メヘラーンガル城がきれいに見えるRAASを利用しました。
僕はインドでは安宿~中級クラスのところに泊まることが多いです(1泊200ルピーの宿に泊まったこともあります)が、今回初めてインドで高級ホテルに泊まりました。RAASは旧市街の中にありますが、完全に別世界です。メヘラーンガル城を眺めながら贅沢な時間を過ごせます。
移動について
旧市街は、道が狭く車の通行が制限されているため、徒歩やオートリクシャーでの移動がメインです。その一方で、少し離れた場所に移動する際は、Uberが便利です。
時計塔の前から空港まではオートリクシャーで150ルピーでした。
ジョードプルへの行き方
ジョードプルへは、デリーやムンバイなどの国内主要都市から直行便が出ています。デリーから鉄道でアクセスすることも可能です。
ジョードプルは、古都ウダイプルからバスで約5時間の距離に位置しているので、合わせてまわることをおすすめします(ジョードプル行きの長距離バスは旧市街の相当手前で停車することもありますのでご注意ください)。
僕はウダイプル(宿泊)→クンバルガール城・ラーナクプル(ウダイプル泊)→ジョードプル(宿泊)と3泊4日でまわりました。
ウダイプルに関する情報はこちらにまとめています。
クンバルガール城・ラーナクプルについてはこちらをご参照ください。
それでは良い旅を!