天才数学者の出身地!南インド・クンバコーナム
こんにちは!
今回は、夭折の数学者シュリニヴァーサ・ラマヌジャンの出身地として知られる南インドのクンバコーナムを紹介します。
クンバコーナムとは
クンバコーナムは、人口約14万人(2011年時点)のタミルナドゥ州中部の小さな町です。世界遺産や重要な寺院があるこのエリアの観光の起点になっています。
クンバコーナムエリアの見どころは、約35km離れたガンガイコンダチョーラプラムにある世界遺産ブリハディーシュワラ寺院、約4km離れたダーラースラムにある世界遺産アイラーヴァテシュワラ寺院、市内にあるクムべーシュワラ寺院などです。
ガンガイコンダチョーラプラム
ガンガイコンダチョーラプラムは、クンバコーナムから約35km北にある小さな村。名前の意味は「ガンジスを征服したチョーラ朝の都」で、11世紀から約250年間、チョーラ朝の首都が置かれていました。
村には、2004年に「大チョーラ朝寺院群」としてユネスコの世界遺産に登録されたブリハディーシュワラ寺院(タンジャヴールのものと同名)があります。ガンガイコンダチョーラプラムのブリハディーシュワラ寺院(シヴァ寺院)は、規模ではタンジャヴールのものに劣るものの、完成度が高く、チョーラ朝建築の最高傑作の1つに数えられています。
基本情報
名称 |
Brihadeeswarar Temple |
営業時間 |
6:00〜12:00、16:00〜20:00 |
入場料 |
無料 |
所要時間 |
約1時間(関心度などによって個人差があります) |
行き方 |
クンバコーナムのバススタンドからローカルバスで約1時間半(片道約40ルピー) |
備考 |
入口付近の売店で靴を預けます(10ルピー)。カメラ持ち込み可。ガンガイコンダチョーラプラム行きバスの乗り場は、バススタンド入口正面から見ると左奥にありますが、わかりづらいので人に聞きながら探す必要があります。降りる時は終点ではないので注意が必要ですが、寺院が近くと車窓から大きな塔門が見えてきます。 |
*訪問時点の情報です。
実際に行ってみた
入口は敷地の東側にあります。
構内に入るとすぐに、大きなナンディー(シヴァ神の乗り物とされる牡牛)像があります。タンジャヴールのナンディー像同様、なぜか舌を出しています。
建物外壁の彫刻からは、表情の豊さや躍動感を感じることができます。見事です。
ヤシの木が生えていて、南国情緒を醸し出しています。
本殿の中は撮影禁止でしたが、奥の方にはシヴァ神の偶像が祀られています。
寒村の中にあるこの寺院は、牧歌的な雰囲気でとても居心地が良かったです。
かつて南インドを支配した王朝の都があったことが想像できないくらいひっそりとたたずんでいて、かつての栄華とのギャップが魅力的です。
外国人がここまで来るのは珍しいのか、インド人観光客からセルフィーを頼まれますので、根気強く応じるか、うまく回避する必要があります。
ダーラースラム
ダーラースラムは、クンバコーナムの西約4kmに位置する小さな町です。ここには、ガンガイコンダチョーラプラムのブリハディーシュワラ寺院とともに、「大チョーラ朝寺院群」として2004年にユネスコの世界遺産に登録されたアイラーヴァテシュワラ寺院があります。アイラーヴァテシュワラ寺院(シヴァ寺院)は、12世紀にチョーラ朝のラージャラージャ2世によって建てられました。
基本情報
名称 |
Airavateshvara Temple |
営業時間 |
7:00〜12:00、16:00〜19:50 |
入場料 |
無料 |
所要時間 |
約1時間(関心度などによって個人差があります) |
行き方 |
バス+徒歩またはオートリクシャー。市内Raya’s Annex からオートリクシャー往復+待機で300ルピーでした(「地球の歩き方」では往復150ルピーが目安とされています)。市内からオートリクシャーで片道約15分。 |
*訪問時点の情報です。
中はどんな感じ?
入口は敷地の東側にあります。入口の前の池には水が溜まっていて、ここに足を踏み入れなければ中に入れません(近くに足を洗う場所はないので、持ってきた水で洗うか、宿泊先に戻って足を洗うかどちらかで対応するしかなさそうです)。
中に入ると、建物の規模はそれほど大きくないものの、とても精緻な彫刻の数々を見ることができます。
この寺院は、寺院自体を山車として見立ていて、寺院を引く馬や車輪の彫刻が施されています。
前殿にある柱の彫刻の美しさは圧巻です。
本殿内部はこのようになっています。
ナンディー(シヴァ神の乗り物とされる牡牛)像もあります。
構内はやや水浸し気味です。
外に出ると、地元の子供たちに自分たちの写真を撮ってくれと頼まれました(インドでは結構このパターンがあります)。
アイラーヴァテシュワラ寺院は決して大きくなく、他の南インドの寺院のようにカラフルな塔門があるわけではありませんが、土色単色で造られた細かい彫刻は美しく、一見の価値があります。
クムべーシュワラ寺院
クムべーシュワラ寺院は、クンバコーナム市内にあるシヴァ寺院です。リンガが本尊として崇拝されています。本堂の前には象がいて、チップを渡すと鼻で頭を触ってくれます。
基本情報
名称 |
Sri Kumbeshwara Temple |
営業時間 |
6:30〜12:00、16:30〜20:00 |
入場料 |
無料 |
所要時間 |
約30分 |
行き方 |
徒歩またはオートリクシャー |
備考 |
入口で靴を預けました(10ルピー)。カメラ持ち込み可。本殿は撮影禁止 |
*訪問時点の情報です。
入口付近には、ちょっとしたアトラクションもあります。
その他の見どころ
その他、市内には、クンバコーナム最大のヴィシュヌ寺院サーランガパニ寺院、ラーマスワミ寺院、ナーゲーシュワラ寺院、マハーマハーム・タンクなどがあります。
ちなみに、ラーマスワミ寺院には「ラーマーヤナ」が描かれた壁がありますが、撮影禁止でした。
食事・宿泊情報
食事は「地球の歩き方」に載っているHotel Raya’s の1階にあるSathars Restaurant とその上にあるバーを利用しました。クンバコーナムにはローカルなレストランが多く、外国人にとって選択肢は少ないです。
宿泊施設は、Hotel Raya’s の系列店 Raya’s Annex に宿泊しました。上述のレストランが近く、観光にも便利でした。
移動について
近郊の寺院はクンバコーナムから距離があるので、基本的には、距離などに応じバスまたはオートリクシャーでアクセスすることになります。
少し高くなっても効率的にまわりたい人は、現地の旅行会社にタクシーをアレンジしてもうらうこともできます。
今回宿泊したホテルでは、タクシー1台を1日2,400ルピー~でアレンジしてくれるようでした。
僕は今回、タンジャヴールから日中にバスでクンバコーナム入りし、その日の夕方にガンガイコンダチョーラプラム、翌日朝にダーラースラム、午後にクムべーシュワラ寺院を訪れ、その日の夜の電車でティルチラパッリに向かいました(遠いところから攻めました)。
クンバコーナムとその近郊では、お昼の時間帯は入れない寺院が多いので気をつけてください。
クンバコーナムへの行き方
タンジャヴールから電車またはバスで1時間~1時間半。
ティルチラパッリ(ティルチィ)から電車またはバスで約2時間。
バススタンドと駅構内の様子はこんな感じです。
近郊のタンジャヴールやティルチラパッリから、車で2時間程度の距離に位置しているので、他の都市と合わせてまわることをおすすめします。
僕はチェンナイ(夜行バス・車中泊)→タンジャヴール→クンバコーナム(宿泊)→ティルチラパッリ(宿泊)→チェンナイと3泊4日でまわりました。
現地の旅行会社に車を手配してもらい、マハバリプラムなどと合わせて数日間掛けてまわることも可能です。
タンジャヴールについては、こちらにまとめています。
ティルチラパッリはこちらをご参照ください。
それでは良い旅を!