ヒッピーの聖地?植民地時代の面影が残る町ゴア
こんにちは!
ゴアはインドの中でも特に有名な町の1つで、詳しくは知らなくても名前だけは聞いたことがあるという人も多いのではないかと思います。
今回は、「ヒッピーの聖地」「トランスの聖地」「黄金のゴア」など様々な側面があり、インドにありながらインドらしくない町ゴアを紹介します。
ゴアとは
ゴアは、かつて海の帝国として一時代を築いたポルトガルのアジア支配の拠点として繁栄した都市で、1961年にインドに併合されるまで、ポルトガル領インドの一部でした。その後1987年にパナジを州都とするゴア州となり、現在はインドの中でも特に経済的に発展した州となっています。
ちなみに、ゴアは1960から70年代に「ヒッピーの聖地」と呼ばれていましたが、今ではインド人に人気のリゾート地に変わってきています。
ゴアをエリア別に見ると、マンドヴィー川(Mandovi River)より北側のエリアを北ゴア、マンドヴィー川とズアリー川(Zuari River)の間のエリアを中央ゴア、ズアリー川より南側のエリアを南ゴアに分けることができます。
観光地のオールド・ゴアとパナジは中央ゴア、ビーチの多くは北ゴアと南ゴアにあります。
ゴアの主な見どころは、ポルトガル植民地時代の町並み・教会群やビーチなどです。
パナジ
パナジ(Panaji)は、ポルトガル植民地時代の面影が残るゴア州の州都です。17世紀にポルトガル領インドの首都機能がオールド・ゴアから移されて以降、ゴアの中心都市となっています。
ここでは、コロニアル風の町並みや教会などを見ることができます。
実際に行ってみた
町にはカラフルな建物が多いです。
ウォールアートも所々で見られ、良い意味でインドらしさはあまり感じられません。
町の中心には、16世紀に建てられたパナジ教会があります。
オールド・ゴア
オールド・ゴアは、1510年にゴアがポルトガルの植民地になってから、17世紀にコレラやマラリアといった伝染病の流行で町が放棄されるまでの間、ゴアの中心だった地域です。パナジから約10kmほど東にあります。
16世紀半ばには約20万人もの人が住んでいたとされ、その繁栄ぶりから「黄金のゴア」とも言われました。
当時の教会群建築の一部は現在も残っていて、1986年に「ゴアの教会と修道院」として世界文化遺産に登録されました。
ちなみに、教会群の近くに食事ができるところはいくつかありますが、あまり充実していないので、可能であればパナジやビーチ界隈のレストランで済ませておくことをおすすめします。
なお、教会群などには、現役の教会も多いため、服装には注意が必要です。
肌の露出が多い服を着ている場合は、露出部分を隠した方が良いと思います。
ボム・ジェズ教会
ボム・ジェズ教会は、1605年に完成した教会で、植民地時代に建てられたバロック建築の傑作の1つとされています。
この教会には、日本にも渡来した宣教師フランシスコ・ザビエルの遺体が安置されています。
ザビエルは、1542年からゴアで布教活動を行い、1549年に日本へキリスト教を伝えた後、1551年にゴアへ一度戻りますが、その翌年に布教のため訪れていた中国で病に倒れ、そのままこの世を去ります。遺体はマラッカを経て、ゴアへ移送されたそうです。
<基本情報>
名称 |
Basilica of Bom Jesus |
営業時間 |
月~土曜:9:00~18:30、日曜:10:30~18:30 |
入場料 |
無料 |
所要時間 |
約30分~1時間(関心度などによって個人差があります) |
行き方 |
オールドゴアのバススタンドから徒歩 |
*訪問時点の情報です。
外観はこんな感じです。
赤茶色を基調とする外壁には、よく見ると装飾が施されています。
ザビエルの遺体の棺前は、観光客で混雑しています。
聖フランシス教会
聖フランシス教会は、1517年にゴアへ上陸したフランシスコ会修道士によって建てられた教会で、現在の建物は1661年に建てられました。
木彫りの装飾が美しい礼拝堂の横には、考古学博物館が併設されていて、ヴァスコ・ダ・ガマなどポルトガルの歴代インド総督の肖像画や、布教初期の様子をうかがえる絵画が展示されています。
<基本情報>
名称 |
Church of St. Francis of Assisi |
営業時間 |
7:30~18:30(日曜休み) |
入場料 |
無料 |
所要時間 |
約30分~1時間(関心度などによって個人差があります) |
行き方 |
オールドゴアのバススタンドから徒歩 |
備考 |
三脚の使用、人の撮影は不可 |
*訪問時点の情報です。
礼拝堂の中はこんな感じです。
内部の豪華な装飾が見事です。
セ・カテドラル
セ・カテドラルは、1619年に完成したカトリックの大聖堂です。内部には、聖カタリナに捧げられた金色の祭壇や壁画などがあります。また、現役の教会であるため、日曜には礼拝が行われます。
<基本情報>
名称 |
Se Cathedral |
営業時間 |
7:30~18:00(日曜午前中は休み) |
入場料 |
無料 |
所要時間 |
約30~1時間(関心度などによって個人差があります) |
行き方 |
オールドゴアのバススタンドから徒歩 |
備考 |
人の撮影は不可 |
*訪問時点の情報です。
建物はかなり大きいです。
祭壇の壮麗な装飾は存在感があります。
それ以外にも凝った装飾を見ることができます。
その他の見どころ
このほか、アラビア海に面したビーチ、カジノやトランスパーティーといったナイトライフを楽しむことができます。
ビーチはエリアごとに特色があり、観光客が多いのは北ゴア、大型リゾートが点在しているのは南ゴアといったイメージです。中央ゴアのビーチの数は多くありません。
(写真はPixabayより引用)
カジノには、陸上の施設にあるものと、船上にあるものがあります。船上カジノはパナジのマンドヴィー川沿いにあります。
また、ゴア・トランスで知られるゴアでは、トランスパーティーを楽しむこともできます。
パーティシーズンは11月中旬から2月中旬頃で、12月下旬から1月初旬が最も盛り上がりますが、シーズン外に行ってもほとんど開催されていませんのでご注意ください。
様々なパーティースポットがありますが、Hilltopなどで行われるパーティーが有名です。
食事・宿泊情報
食事は、パナジのオスペタリア・ヴェニーテとバガビーチに近いレストランNisha’sを利用しました。
宿泊先には、Keys Select Ronin Resort を利用しました。
周囲にはゲストハウスもありましたが、長旅で疲れていたのとビーチへのアクセスが良かったので、ここを選びました。
注意事項
ゴアなどインドの有名な観光地では、外国人旅行者が詐欺や強盗に遭うケースが多いです。
最近では、以下のような巧妙な手口の強盗も起きています。
インド国内を旅行中の邦人に対して,旅行者を装うなど言葉巧みに近付いてきて,友人のアパートに行こうと誘いだし,邦人旅行者に大麻等薬物の共同所持を偽装させたところで,警察官役の仲間が登場し犯罪被疑者として暴行脅迫を加え,アパートの一室に監禁し、パスポート,携帯電話,クレジットカード及び暗証番号を要求する監禁強盗事件が発生しています。複数の者が巧妙に連携して邦人旅行者に近づいてきますので、ご注意ください。
ー在ムンバイ総領事館 【注意喚起】邦人旅行者を狙った監禁強盗事件の発生 より引用ー
ゴアだけでなく、ジャイプールでも起きているようです。
僕の知り合いもこれと全く同じ手口でゴアで被害に遭いました。
いずれも「一人旅の日本人」が「見知らぬインド人」に「声を掛けられてついて行った」ことにより、被害に遭っています。
これらの詐欺集団は、日本人旅行者を標的としている可能性があります。
旅先で見知らぬインド人に声を掛けられてもついて行かず、道などを聞く場合は、自分から話し掛けて来ない人に聞くことをおすすめします。
旅行中の外国人に声を掛けてくる現地人は、客引きやドライバーも含め、基本的にその人の財布にしか用がないはずです。
また、「地球の歩き方」の旅のトラブルや欄外の犯罪などに関する情報を一通り読んでおくと、頭の体操になり、トラブルに遭うリスクを軽減できると思います。
インド人には善良で親切な人がたくさんいますが、こういった一部の犯罪者たちの行いによって、インド全体のイメージが悪くなることが残念です。
移動について
ゴアの見どころはそれぞれが離れているため、バスまたはタクシー・オートリクシャーでの移動がメインになります(ゴアでは、UberやOlaといった配車アプリは利用できません)。
パナジからオールド・ゴア、北ゴア、空港行きのバスは、カダムバ・バススタンドから出ています。
北ゴアエリアのビーチに行く際は、その拠点となるマプサで乗り換えます。
いずれもバスは頻発していますが、行き先がとてもわかりづらいので、目的地に停車するかどうかバスの呼び込みの人(大声で行き先を連呼している人)に確認してください。
なお、空港までの道は混雑するので、時間に余裕を持って移動することをおすすめします。
ゴアへの行き方
ゴアへは、国内主要都市から国内線でアクセスするのが一般的です。また、UAEやカタールといった中東諸国から国際線でアクセスすることも可能です。
陸路の場合、ムンバイから電車で9時間~12時間、ホスペット(ハンピの近くの町)から電車またはバスで約8~11時間です。
ゴアは、ハンピやバーダーミなど他の町と合わせてまわるのがおすすめです。
僕はベンガルール(鉄道・車中泊)→バーダーミ(1泊)→ハンピ(2泊)→移動(バス・車中泊)→ゴア(1泊)を6泊7日でまわりました。
ハンピについてはこちらにまとめています。
バーダーミの情報はこちらをご参照ください。
それでは良い旅を!
※旅行を検討する際は、外務省の海外安全ホームページなどで最新の情報をご確認ください。