インド観光の穴場!巨大な石窟寺院の町バーダーミ
こんにちは!
インドには、タージマハールやバラナシなど世界的に有名な観光スポットがたくさんありますが、実はまだあまりよく知られていない魅力的な場所もあります。
今回は、かつての栄華の面影や地元の人たちの穏やかな日常を感じられる町バーダーミを紹介します。
バーダーミとは
バーダーミ(Badami)は、南部カルナタカ州にある人口約3万人(2011年時点)ほどの小さな町で、6~8世紀にかけて前期チャールキヤ朝の都が置かれました。
前期チャールキヤ朝は、最盛期にはグジャラート州南部からタミルナドゥ州北部まで勢力を拡大し、デカン地方一帯を支配する大国でした。唐の僧玄奘三蔵もこの国を訪れ、当時の様子を「大唐西域記」に記しています。
主な見どころは、大きな岩山に彫られた石窟寺院群、郊外にある世界遺産パッタダカル 、前期チャールキヤ朝が最初に都を置いたアイホーレなどです。
石窟寺院群
石窟寺院群は、アガスティアティルタ池南側の岩山に彫られた4つの石窟寺院からなる遺跡です。いずれも前期チャールキヤ朝時代のものとされ、第1~3窟が6世紀後半につくられたヒンドゥー教寺院、第4窟が7~8世紀につくられたジャイナ教寺院となっています。
石窟寺院群では、巨大な岩に彫られた寺院の美しいレリーフや、高台から眺める絶景を楽しむことができます。
基本情報
名称 |
Badami Cave Temples |
営業時間 |
9:00~18:00 |
入場料 |
200ルピー |
所要時間 |
約1~2時間(関心度などによって個人差があります) |
行き方 |
バーダーミのバススタンドから徒歩またはオートリクシャー |
備考 |
ビデオ持込料25ルピー |
*訪問時点の情報です。
実際に行ってみた
石窟寺院群は近くで見るとかなり大きいです。
入口に近い第1窟には「踊るシヴァ神」のレリーフがあります。
各石窟内部では、他にも躍動感のあるレリーフなどを見ることができます。
ジャイナ教寺院となっている第4窟には、ティールタンカラというジャイナ教の祖師が彫られています。
朝のうちに訪れたのですが、意外に混んでいます。
地元の子供たちが遠足に来ていて、最も大きい第3窟の前で集合写真を撮っていました。
ここでは外国人が珍しいのか、この後囲まれて「どこの国から来たのか?」「名前は?」と片言の英語で聞かれ、写真と握手を求められました。
第3・4窟付近は高さがあるので、アガスティアティルタ池を一望することができます。
アガスティアティルタ池
アガスティアティルタ池(Agastyatirtha Tank)は、5世紀につくられた大きな貯水池で、かつては周囲の寺院や集落の主要な水源でした。
特にこれと言った具体的な見どころがある訳ではありませんが、背後にそびえる岩山とアガスティアティルタ池が合わさった景観は、他では見られないバーダーミ特有のものだと思います。
また、ここでは地元の人たちの生活を垣間見ることができ、のんびりと時間を過ごすのにおすすめの場所です。
朝早く池に行くと、女性たちが池の水で洗濯をしています。
洗濯が終わったら、池の周りの段差で天日干しをしていました。
カラフルな布が、空の青とレンガの赤茶色に映え、とてもきれいです。
バーダーミフォート
バーダーミフォート(Badami Fort)は、石窟寺院群からアガスティアティルタ池を挟んで向かい側にある岩山の砦です。
南側から頂上へ登ると、バーダーミの町が一望できます。
頂上には、寺院や建物の跡があります。
パッタダカル
パッタダカルは、7~8世紀に建設された、バーダーミの約20km東にある小さな村です。「戴冠の都」を意味する前期チャールキヤ朝時代の寺院都市で、戴冠式などで王族に利用されました。
1987年には「パッタダカルの建造物群」として、世界文化遺産に登録されています。
遺跡内には、北方型、南方型、両方が混ざり合ったヒンドゥー寺院が混在しています。北から南へ時代順に並んでいて、時代とともに規模が大きくなっていく過程を見ることができます。
基本情報
名称 |
Pattadakal |
営業時間 |
6:00~18:00 |
入場料 |
500ルピー |
所要時間 |
約1時間(関心度などによって個人差があります) |
行き方 |
バーダーミからバスまたはオートリクシャー |
備考 |
パッタダカルの遺跡前には、簡素なローカル食堂がいくつかあるだけなので、食事はバーダーミでとることをおすすめします。 |
*訪問時点の情報です。
実際に行ってみた
遺跡の全景はこんな感じです。
北方型の寺院は、砲弾形のシカラ(高塔)が特徴です。
精巧な装飾が見事です。
夕方でしたが、多くの観光客が訪れていました。
ここでも子供たちに囲まれ、写真を撮ってほしいと頼まれました。
南インドの子供たちはシャイですが好奇心旺盛です。
帰りはバスがなかったのでオートリクシャーを利用しました。
ヤシの木が生い茂る南インドらしい風景に夕日が沈んでいく様子は、とてもきれいでした。
食事・宿泊情報
宿泊先には、Clarks Inn を利用しました。
この地域の宿泊施設としては高い部類に入りますが、石窟寺院群やアガスティアティルタ池へのアクセスが良いです。
食事は、宿泊先の1階にあるレストランThe Bridgeを利用しました。
移動について
バーダーミの見どころは、概ねバススタンドの近くにあるので、徒歩またはオートリクシャーでの移動がメインになります。
バーダーミでは、UberやOlaといった配車アプリは利用できません。
バスでも近郊のパッタダカル(片道約1時間)やアイホーレ(片道約1時間半)へ行くことはできますが、バーダーミへ戻る最終バスの時間が早いのでご注意ください。
また、オートリクシャーをバーダーミでチャーターし、パッタダカルとアイホーレの両方をまわることも可能です。
バーダーミへの行き方
バーダーミへは、ベンガルールから電車またはバスで10時間~12時間、ホスペット(ハンピの近くの町)から電車またはバスで約3時間半~6時間です。
バーダーミは、同じ南部の主要観光地ハンピやゴアと合わせてまわるのがおすすめです。
僕はベンガルール(鉄道・車中泊)→バーダーミ(1泊)→ハンピ(2泊)→移動(バス・車中泊)→ゴア(1泊)と6泊7日でまわりました。
それでは良い旅を!
※旅行を検討する際は、外務省の海外安全ホームページなどで最新の情報をご確認ください。