東インド最大のヒンドゥー教の聖地プリーと世界遺産スーリヤ寺院
こんにちは!
東インドでは仏教の聖地ブッダガヤが有名ですが、ヒンドゥー教徒にとっての聖地もあります。
今回は、多くの巡礼者が訪れるプリーと、精巧なレリーフで知られるコナーラクのスーリヤ寺院を紹介します。
プリーとは
プリーは、東部オディシャ州の州都ブハネーシュワルから南約60kmにある、人口約20万人(2011年時点)の町です。北部のバドリーナート、西部のドワールカー、南部のラーメシュワラムと並び、ヒンドゥー教徒にとってチャールダーム(4大巡礼地)の1つとされています。
また、プリーはベンガル湾に面していて、インド人の人たちが浜辺で休暇を楽しむ保養地としての側面もあります。
プリーの主な見どころは、町の中心にあるジャガンナート寺院と、郊外にあるスーリヤ寺院です。
ジャガンナート寺院
ジャガンナート寺院は、後期東ガンガ朝(1078~1434年)の王アナンタヴァルマンによって12世紀に建てられたヒンドゥー教寺院です。元々は土着の神で、後にヴィシュヌ神の化身の1つと見なされるようになったジャガンナートを祀っています。
この寺院こそが、プリーをヒンドゥー教の聖地として有名にし、多くの信者を集める所以です。
高さ65mの白い塔、約200m四方の境内を持ち、オディシャ建築の最高峰とも言われるそうです。
また、毎年6~7月に9日間かけて行われるラタ・ヤートラという祭も有名です。この祭では、御神体を乗せた巨大な山車がプリーの町を巡ります。
ちなみに、ジャガンナート寺院では、ヒンドゥー教徒以外の立ち入りは禁止されています。
寺院の全景や敷地の中を見たい人は、近くのラグナンダン図書館や入口付近の宿泊施設などの屋上に上ると良いと思います。
スーリヤ寺院
スーリヤ寺院は、ヒンドゥー教の太陽神スーリヤを祀った寺院です。プリーから約35km東にあるコナーラクという小さな町にあります。後期東ガンガ朝の王ナラシンハ・デーヴァ1世が、戦でムスリム勢力に勝利したことを祝し、13世紀にこの寺院を建立しました。
スーリヤ寺院は、同時期のガンガ朝建築の中でも最大規模であるとともに、優れたデザインと彫刻で知られ、建物全体で巨大な神の馬車の形を表しています。
現在では、崩壊していた本殿など多くの部分が再建されていますが、砂地で地盤が脆弱であることなどから、建設当時莫大な資金と労働力を費やしながらも、実は寺院が未完成だったという説もあるそうです。
1984年には、「コナーラクのスーリヤ寺院」として世界文化遺産に登録され、オディシャ州で唯一の世界遺産となっています。
基本情報
名称 |
Surya Temple |
営業時間 |
6:00~20:00 |
入場料 |
外国人600ルピー |
所要時間 |
約1~2時間(関心度などによって個人差があります) |
行き方 |
プリーのバススタンドからバスでコナーラクに行き、オートリクシャーに乗り換えアクセス |
*訪問時点の情報です。
実際に行ってみた
寺院の正門(東門)前へ続く参道の雰囲気はこんな感じです。多くの人で賑わっています。
正門の右側から周壁に登ると、寺院の全景が見えます。
入口を抜けると、最初にナータ・マンディル(舞堂)があります。
屋根はなくなっていますが、柱の彫刻の精巧さは身を見張るものがあります。
表情豊かで躍動感があり、今にも動き出しそうです。
ナータ・マンディルの上からは、前殿とその奥にある本殿高塔が見えます。
近くで見ると、かなり大きいです。
本殿高塔は、かつて60~70mの高さがあったと考えられています。
前殿の屋根部分には楽器を奏でる女性たちの像が、壁面にはミトゥナ(抱擁する男女)像などが、数多く彫られています。
本殿と前殿の建物基礎部分の南北には、合計24個の車輪があります。
車輪に浮き彫りされた神々や模様はとても精緻で、見応えがあります。
日差しが強いので、歩くのに疲れたら敷地内にある木陰でゆっくり休むのも良いと思います。
その他の見どころ
このほか、布に絵を描く「パッタチトラ」の技法で知られるラグラジプール芸術村、巨大な汽水湖のチルカー湖などがあります。
またブハネーシュワルまで足を伸ばせば、オディシャ建築の代表的な建築物リンガラージ寺院(ヒンドゥー教徒のみ入場可)、虎の頭の形をした石窟「タイガー・ケイブ」があるウダヤギリなどもあります。
移動について
プリーでの主な移動手段は、オートリクシャーまたは徒歩になります。プリーでは、UberやOlaといった配車アプリは利用できません。コナーラクに行く際は、バスとオートリクシャーを併用することになると思います。
プリーへの行き方
ブハネーシュワルから鉄道で約1時間半~2時間、バスで約2時間ほど掛かります。どちらも便数は多いです。コルカタから鉄道でアクセスすることもできます(所要約7~10時間)。
また、ブハネーシュワルで旅行会社にタクシーを手配してもらうこともできます。
僕はブハネーシュワル→プリー(宿泊)→コナーラク→ブハネーシュワルと1泊2日でまわりました。
それでは良い旅を!